7月の速達から日をおいて、10月のあたまに、ベネッセから「ベネッセコーポレーションより重要なお知らせです」と書かれた封筒が届ていました。
500円分の図書カードを受け取るか、あるいは同額を今度設立する財団に寄付することと相殺にするか、どちらかを選んで同封の葉書で返書せよ、との主旨でしたので、当たり前のように前者に濃く『レ』のチェックを入れて投函したのです。
ところが、それから十日ほどしてからのことです。
一階から私を呼ぶ妻の声がします。
妻「ねえ、あのベネッセの葉書、出してくれたよね」
私「うん、出したよ」
妻「なのに、また葉書を出すようにって、手紙が来たのよ」
私「どういうこと? もう出したのにね」
妻「仕事中にごめん。よかったら見てくれる?」
これは読みやすいように、標準仕様に変えてあるのでして、じっさいの会話は伊勢弁でした。
妻「あんたさあ、あのベネッセの葉書、ちゃんと出したわなあ」
私「なに。よう聞こえやん」
妻「あのなあ、ベネッセのなあ、……(以下略)」
私「あん、出しといた」
妻「せやけどまた、おんなじように葉書出せて、言うて来たんやわ」
私「なんやそれ。どういうこと?」
妻「知らんわ。ええから、ちょっと降りてきて」
また前と同じような封筒が届いたとのことでした。
私は確かに出しました。霧雨の午後、マックスバリューの敷地の赤いポスト。店の方ではなく駐車場の方に投函口があったので、少し秋雨を肩に受けながら。それなのに、何でまた来るのか。
考えてみれば、前のがベネッセに届いたから来るというのならわかるが、届かなかったから来るというのはおかしい。返信の期限は12月まであるからです。何か他に原因がある。
両者の封筒を並べてよくよく閲するに、「対象とする方のお名前」や、「ご登録用コード」「ログインキー」がそれぞれ違っていて、つまり、親と子で別々に500円分の図書カードを贈る(もしくは財団法人に寄付する)ということだとわかりました。
前の封筒も残していた私。だからこそ、原因が突き止められたのです。
わずかな満足感を胸に、二階に戻る私でした。