きょう16日の午後、TBS系列局の「ひるおび」という番組を見ていたんですが、いつもの森さんとは別の気象予報士の人が出ていました。
台風18号の進路についての解説をしていたのですが、この気象予報士さんが、興味深いひとことをポロッと漏らしたのです。
「学術的に言うと」と前置きをして、わずかにタメを作ってから。
──すべての台風は北極を目指すのです。
え、そうなんですか、と聞き返す司会者に、
──そうです北極です。そこまでたどり着く前に、みんな消えちゃうんですけどね。
小さく前で手を組みながら、そんな意味のことを言っていました。
すべての台風は北極を目指す。
聞いた瞬間、全身がしびれたようになりました。一生忘れられないできごとだと思います。
たどり着けないその「北極」とは、あのシロクマのいる氷原ではもはやなく、北極星の輝く夜空を指しているような印象を持ちました。
ただのひとつもたどり着けない。でもすべてがそれを目指す。
危険な美しさを孕んでいる言葉です。
危険な言葉を生み出しかねない言葉だと思います。
でも美しいものは、やっぱり美しい。
追伸:
気象予報士の森田正光さんというひとらしいです。すごく有名な方なんですね。それすら知らなかった。
でも美しいものは、やっぱり美しい。言葉でも、ひとでも。