ここでひとつ疑問が湧きます。
どうして猿たちはこのかぼちゃを山に持ち帰らなかったのでしょう。重いといってもせいぜい二三キロで、おとなの猿が小脇に抱えて走れないような重さではありません。山でゆっくりと味わおうという余裕もないのでしょうか。
クラウドコンピューティング、という言葉を最近よく耳にします。
従来型のように、ストレージ(保管すべきデータ資産)やアプリケーションソフトを、手元のローカル側ではなくネットのどこかしかるべき場所に求めようとする、ひとつの方法論です。敷衍すれば、データは溜め込むことにではなくリアルタイムに活用してこそ意義があるとする考えなのでしょう。
猿たちにとって、大事な資産とは、すなわち里の作物です。
彼らもいくらかは故郷に持ち帰って(つまりはダウンロードですね)いることでしょう。しかし、大きな流れとして、彼らが生存するための主舞台が、もはや山にではなく、里にへと移行しているのではないか、いまいるその場所で糧を食むことが常態化するのではないか。猿どもの行動を見ていると、そんなことを予感させるのです。
有名な「孫子」作戦篇に、『智将は務めて敵に食む』という記述があります。
知将は遠征したらできるだけ敵の兵糧を奪って食べるようにする、敵地で調達する物資は自分の国から運んだ場合の20倍の価値があるとする教えです。
〒510-0307 三重県津市河芸町影重861-1
TEL : 090-1755-3871
URL : https://ilneige.com