わたしは芸能人さんの顔と名前が一致しないので、しょっちゅうグーグルの画像検索で確かめたりしています。
そのさい、キーとなるのは、言葉であって画像ではありません。そして、検索結果として出てくる画像も、あらかじめ言葉とのセットでグーグルのデータベースにしまわれていたものが引っ張り出されているみたいです。
つまり、
(1)キーワード(たとえば芸能人の氏名)を投入
↓
(2)画像とセットになっている言葉(同氏名)でヒット
↓
(3)その画像が返される
というような流れであろうと思います。
しかしですね、世に「キーワード」はあっても、いまだ「キーイメージ」という言葉はあまり聞くことはありません。
いったい、画像をキーにしての検索はできないものでしょうか。
できるんですね。
グーグルの「画像を検索」の中に、
「画像で検索 テキストの代わりに画像で Google を検索します」
という機能があって、ウェブ上の、あるいはその場でアップロードした画像をもとに検索することができるようです。
たとえば、下の画像を、グーグルの「画像で検索」をしてみます。左にあるやつですね。
すると、「ときはぎ……」とか、「とある……」とか、たしかに「と」の文字で始まる画像を検出してくれます。あとは赤いフレームのめがねとか、赤いリボンとか、極局所的な色の変化を読み取って判定しているみたいです。最初のひと文字しか読んでいないのが笑えますが、これは画像⇔画像で直接に比較するのではなく、文字を介在させていると予感させるものです。この場合の文字とは、「と」です。すなわち、赤いめがねも赤いリボンも「と」なんでしょう。
ところが、続けて次の画像でやってみると、意外な結果が返ってきます。
これはさきほどの画像の「と」の部分だけを少し変形したものです。誰が読んでも「と」から始まる画像だとわかるでしょうと思いきや、グーグル様は「こ」と解釈されたようで、「こもれび……」とか、あるいは「びゃ」とか文字の画像を寄越してきました。
わたしは、腕を組んで感心していました。
なるほど。それで世に CAPTCHA(キャプチャ/画像認証)なるものが、効果があるとされているのか。
キャプチャとは、よく他人のブログなどに書き込む前などに出てくるやつで、デフォルメした英文字の画像を見せ、それをアルファベットとして正しく認識できた者だけを人間(ボットではない)であるとみなして先に進むことを許可するという、一種のチューリングテスト(投稿者が判定を受ける)みたいなものですね。
たとえば下のような画像を見せられても、人間と違って、ボット(ソフトウェア)には、#1も#2も、「A」とは読めないということが、キャプチャの信頼性の基礎となっているんですね。
それを思うと、ひとつの結論がにじみ出るのです。
画像をキーとする限り、まともな検索はできないのではないか(偶然はともかく)。
「あの形のあの木と時計の絵、何だったかな」と、思うままに絵を描いてみるのでは、よほど的確でない限り、とうていキーとして成立しないでしょう。
「記憶の固執」「柔らかい時計」「ダリ」などという言葉が絶対に必要です。
(続く……ことになりました)
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