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私的 MURMUR
Twitter に書いたのと、ほぼ同じことが出ています。
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私的 MURMUR
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ジュラシックワールド3D版を見た。細かいところは細かく、荒い場面は荒く、いい出来だと思う。シリーズ第一作であるジュラシックパークへのオマージュを感じた。二十年以上も前に張った伏線を、いま回収しているかのような、ああ前に見たことあるなあという場面もいくつかあり、それはそれで甘味。
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又吉直樹『火花』読了。二時間かかりました。硬質な部分も多く、ソーメンをすするようにはいかないので、夏場に読むのは不向きかも。お笑い芸人の世界が嫌いになりました。主人公徳永に語らせる形式の、又吉という人物の披露という性質も感じられ、小説としてはぎりぎりのところか。次回作も読みたい。
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読後の感想を述べるさいに、他人の感想文を参考にするというのは、驚きです。なんのためにそんなことをするのでしょう。
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鹿島田真希『その暁のぬるさ』読了。他者と自分の関係性にこだわり続ける保育士に特異な文体で語らせる。その文体、その口吻、アスペルガー障害を持っているかのような、なんでこんなに苦しむのかと、じつは読みながら身につまされている。芥川賞受賞作『冥土めぐり』よりも僕はこちらの方が好きです。
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むかし、ピカソの絵を酷評する評論家がいた。若いころの写実的な作品はまだしも、こんなもの僕はまったく評価しないと言っていた。そのような人はテレビではとんと見ない。見るのは、雨と決まった日に如露を持って集まり、枯死した花に水をかける人。自分の意見が大勢から外れて見えることを恐れる人。
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「離れ島」という意味で「離島」を使うのはおかしい。離陸、離水、離岸、離村、離船、離婚、離籍、離党、離職、離任、離乳。どれにも「離れた○○」という具象名詞の意味はない。なぜ「離れ島」と言わないのか。普段から役人は、かなを含むと恰好悪いし鼎の軽重を問われかねないと案じているのだろう。
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クーラーの効いた部屋で、講習結果のペーパーを膝に置き、「ああ、いい出来だね。この調子だね」なんて言いかけて、ひとり吹き出している。自分、98点なんて点数取ったことない。「手がかり再生」なんて半分しか覚えられない。半世紀前に、親の口から欲しかった言葉をいま自分が言えて、幸せです。
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79歳の母は日常的に車を運転する。先日受けた高齢者講習の結果を見せに来た。百点満点中98点。手がかり再生でひとつ落としたからという。すべての項目で平均値を超えており、視野角検査では178度と、三十歳代の平均値をも上回っていた。高い知能と広い視野角があれば、この夏も乗り切れるはず。
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今度こそと、うな丼@新玉亭(多分津市でいちばん有名な鰻屋)。大はりきりでメニューをなぞる指先も、最後はみんな『並』の上に落ち着く。テーブル席では、サラリーマンがいなくなる午後一時からは、有閑と思しきお年よりが席を多く占める。妹から、むかしの友だちの噂話を聞いた。うな丼、遅い。
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朝日新聞デジタル:第2次大戦中、ナチス・ドイツは「金髪・碧眼(へきがん、青い目)」の子供たちを他国から連れ去り、ドイツ人にしようと企てた。「他国から連れ去り」? 「他国の子供たちを拉致し自国民に仕立てた」ということだろう。この文章の何が問題なのかと目を剥く記者ならば手に負えない。
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「燃料、片道の5倍積載」との見出し。片道の? 特攻機じゃあるまいし。そうか伊豆大島で燃料を補給するのが標準なのか。「通常の積載量の○倍」とは、きっと意味が違うのだろうね。ともかくタンクには入ったんでしょうが。飛行機は燃料が満タン(以下)で問題にされるということを、はじめて知った。
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滑走路の地上近くは摂氏40度を超え、燃料は満タン、定員ちょうどの搭乗。そんな状況でも飛行機は飛ぶものだと思ってました。そうじゃないんでしたね。まあ、誤解でしたが、絶対に乗らない乗り物の話をしていてもしょうがない。あと、人家の近くは絶対に飛ばないでくださいね。落ちるから。
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34度の気温、満タンの燃料、定員をひとり下回る搭乗者。どれも、そしてそれらが合わさることも、よくある話ではないのか。こんなことを墜落の原因だと説くひとの精神状態は確かなのか。もしそれが本当なら、小型飛行機は、家の上だろうが向かいだろうが横だろうが、いつでも飛んでくれるな、と思う。
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小川洋子『注文の多い注文書』読了。クラフト・エヴィング商會への注文と納品という形式のいっぷう変わった書評であり、おもしろい。内田百閒の『冥途』をもういちど読みたくなった。ク商會といえば、アマゾンで買った『どこかに○いってしまった○ものたち』が自室の本棚にある。失いたくない一冊だ。
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7月26日。安保法制反対のデモに参加、というのか、一般人にもかかわらず、自治労の旗の少し後ろに並び、炎天下の二十三号線を漫ろに歩く。国道沿いにある証券会社の、正三十二角形のガラスの壁に映る行進を横目でながめていた。その中にいる自分の姿を探したけど、角度のせいか、見つけられなかった。
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でもね、ものを書いている皆さまに思う。「なぜか」と「妙に」は、もうやめましょうよ。透明に濾しとったはずのスープが、ぽとんと落としたうるさい隠し味で濁るんです。なぜプロの文章にいけしゃあしゃあと居残っているのか、不思議です。
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中村文則『掏摸』読了。氏の作品中最高の出来だと聞いていた。途中で気持ち悪くなって中断していたのを再開した。例によって、主人公≒作者なのだという。文体は別段、読み手を揺すぶる筆力はあると思う。憎い憎い木崎をどうやって惨くやってやろうか、なんて脳内で企画をしていた。悪は書き易いやね。
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小山田浩子『穴』読了。黒い獣、義兄と名乗る気味の悪い人物、いたるところに開く穴、現れては消える大勢の子ども、それらと現実の義祖父との対比。主人公の主婦と血縁のない、それらすべてが何かのメタファーらしいのだけど、いっこうにわかりません。底で醗酵する出産願望によって現れる魔界なのか。
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純文学にネタバレはない。純文学は、読者に挑む果たし状である。読者は、体内のあらゆるものをかき集めて、小説を消化し、ひとつの絵をこしらえる。それは作者と読者の共同制作ともいえるかもしれないけど、隅には読者の落款がある。作者が見ればのけぞるような異形なのかもしれない。
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──いますぐに来れるんなら鰻おごったる。零時十五分前。母からの電話に、家族の心はひとつ。五分で出発した。ところが道中、また携帯にかけてきて、鰻屋は連休だとのこと。そんならいっそイオンの中のラーメン屋で、という流れになり、妄想の中は上うな丼、胃袋の中は寿がきやラーメン。うまかった。
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自作掌編
(10)
事件なんかいらない
糖尿病
T氏への手紙。モザンビークの学生が見たもの
三十七年の居眠り
ペンで作った死者に指を差される
チーズを入れるひと
自殺の理由
ありもしない話に腹を立てている
無言でいいんだ青春は
ヴェルタースオリジナル
ことばのちから
(18)
ミステリーの推敲のしかたも書いてほしい
ないほうがいいのは、木じゃなくて囲いのほうだろう
外から眺めているだけだったボケての国へ
誤解の解けない、『誤解された初恋』
言葉に慊りないひとが、でたらめをよりマシと思う瞬間
辞書を引くたびに面倒くさいやつ、俺
言葉の阿修羅 bokete.jp を再び遊覧す
超高齢者が口を揃えて言った「やり残したこと」
「台風の上陸」という合言葉
現実ならばこそ、これほどのものが入り込む
画像を喰らう言葉 ~ bokete.jp
とまり、きき、みて、とおれ
判決は想定内でおk
すべての台風は北極をめざす
画像検索 ~ グー様に「柔らかい時計」と認められたい
画像検索とCAPTCHA(キャプチャ/画像認証)
言葉を喰らう言葉 ~ パロディー
画像に支配される言葉
近所はおろか世界も知らない
(22)
お伊勢さん菓子博2017
スーパーでただで買えたもの
2016年8月出来事ですらなし
いまかわせみが飛びました
パラドクス・パラドクス
極楽湯の男湯にいた三人の女の子がもたらした夢だと妻は言う
夢の中の自分に腰を抜かしている
ランダムウォークは世界地図をなぞる、のかも
一秒で足が地に着かなくなるわたし
所属という仮想体験
不磨の大典は寝小便に通ず
「見た目が9割」のもの
「香・大賞」へ応募したこと
ベネッセから三度目のお手紙
A Real Me! へっ、気持ちの悪い。でもちょっと……
六月生まれの父、九月に飛び立った蛾
頭の中はエロでぎゅうぎゅう!
ベネッセから速達が届いた
清掃入門
グーグルの車載カメラで見たもの
一志の里でウッキッキー
あの安濃ダム(錫杖湖)がえらいことに
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