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自家製トピック
頭の中はエロでぎゅうぎゅう!
( 近所はおろか世界も知らない )
2014年10月3日(金)
愚生中川。
ひねもす、キーボードのでごぼこを八本の指で叩いては、いま仕事中だと称しておるのですが、全然そんなことはありません。ウェブサイトのレイアウトを考えていようが、HTMLコードを並べていようが、同時に脳の体積の半分以上は、エロいこと、いやらしい妄想で埋め尽くされている。

まあ、いろんなサイトを眺めていても、エロい人、好事家の方はたくさんいらっしゃるようで、中学生の、わたしってHなんですう的なものから、ねっとりした中高年の猟奇的性的倒錯風景まで、いろいろ書いてござる。

しかし、小生の脳内エロ体験はそれらを遙かに凌駕している。

もし仮に、ふだんの小生の想念を文章にして、SNSか何かに投稿でもしようものなら、たちまち「ど助平エロじじい髄膜発汗腐れ汁放出」などと非難されるのは目に見えている。しかし、ほほん、無知とは恐ろしいものよ。何を隠そう、それがしのエロ妄想は、そんな程度ではないのである。さっきのSNS向けの文章がエロ的にデチューンしてあるのは言うまでもない。上記のような反応くらいでことを済まさねばならないからである。もしも無修正のまま出せば、いかなる評価を受けるものか、考えるだに身の毛がよだつ。

それだけではない。

自分の性的ロマンはしばしば、性犯罪どころか、かつで地上で起こったことがないほどに禍々しい、真智滅濁にして風紀壊乱、変態的、猥雑的フェティシズムに満ち満ちているのである。万万が一、この真のエロ本性を人に知られることがあるならば、そらもう、暴戻無比にして貪虐兇穢、禽獣にも劣る鬼畜無道などと、聞いたこともないような語彙を浴びせられること必定である。

頭の中はエロいことでぎゅうぎゅう。

もはや脳内どころか体内のいたるところがエロで膨満し、鼻や口から滴り落ちる。もし口から洩れればたいへんなことになる。この高圧をどこかに解放させなければならない。だからと言って、それを文章に起こし、巷間の知るところとなれば、わたしはきっと生きてはいられまい。

もう自分が怖い。おれは人並みはずれた色魔なのか。それとも隠しているだけで、他人も似たり寄ったりなのか。教えてほしい。「大丈夫、みんな同じだよ」と言ってほしい。

しかしながらそれがしの性格としては、その励ましの言葉を聞けば聞いたで勝手なもので、「そんなことはない、自分のエロ度は特異値を示しているのだ、みんなと同じわけがない、ならばこれを見よ」とばかりに、脳内エロ祭りをネタに文章をしたため始めることでしょう。

いまこそ畜道に落ちた夜叉にもならめ。

小生は死ぬつもりで、かつ意気揚々とアダルト系出版社に持ち込む。弊社では持ち込み原稿はご遠慮願っておりまする、などとほざく受付の平成女子に、「いいから担当に読ませろ、目からウロコもの、いまだかつてないエロだぞよ、三重からわざわざ東京くんだりまで足を運んだのは何のためだと思うておるのか」、などと半時間も粘れば、編集員か警備員のどちらかが飛んでくる。

ふた回りも年下の、田舎にも都会にもいそうなあんちゃんにA4用紙の束を差し出しながら、一枚目は梗概でして……、などと相手の目を見て卑屈に腰を折っている。

半分も読まないうちに、あんちゃん曰く。
──目いっぱい言って換骨奪胎、オルモストパクリ。ま、文芸的トレパク、ですか。

残ったコーヒーすすり上げて、あえなく退散。帰りの自動ドアがすでに開いている。

エロはエロで奥が深い。
帰って仕事しよ。

Update:2014-10-04 Sat 00:41:19 ページトップへ
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