2018-2-24
一年の初めに歩きながら一年の計を考えた。素手に残ったワードは「脱大衆」。依存、慣習、羈絆、争奪、感化、自虐、浪費、脱法、追従、非礼、容喙などからの離脱。これらを遠ざけること。ひたすら歩むその先に、おぼろげに立つ非大衆的なものが自分の中にあるといい。遠いだろうが。ないかも知らんが。
2018-2-24
明治の始めから昭和にかけて生きた華族(伯爵)、陸奥廣吉。陸奥宗光の長男であり、2002年に亡くなったインタナシヨナル映画社創業者故陸奥イアン陽之助の父。写真は同氏のサイトから部分を勝手に掲載させていただいた。このひとの風貌には何かしら惹かれるものがある。
http://impc-younosuke.jp/
2018-2-24
カヌー選手による薬物混入事件で、何人かのスポーツ関係者が、「こんな事件が日本で起きるなんて(考えられない/考えられなかった)」旨の発言をしている。言の他に「海外でならまだしも」と加える気配がある。国内外をその切り口で分ける根拠は何か。他国に対して持つ差別感情の不用意な漏泄が漂う。
2017-12-26
若者は若者でありたがる。巷間いまの若者は電話が苦手なのだと聞けば苦手にもなろう。新人類と呼ばれたあの人たちは、新人類のモデルケースのように振舞ったし、「十七歳の心の闇」というコピーは十八歳の心にも闇をこしらえた。マスコミが付け火で仕掛けた、○○は○○でありなむとする期待への応答。
2017-12-13
アラフォーの町田康を支持する。「くっすん大黒」「きれぎれ」「権現の踊り子」「浄土」みんなよかった。純文学の作家として、この人の作品は一頭地を抜く。しかし最近のものはあまり好きではない。というか、嫌いかもしれない。というか、過去の全作品を俎上に上げるとならば、嫌いが過半を得る予感。
2017-11-30
★自分の担当した学級新聞の記事が好評で、二十部を売り上げたとの報せが入ってうれしかった。でもそれよりも、クラスにいたあの子にどうしても伝えたいことがあった。手を引いて中庭に連れ出し、いまでも好きだと告白した。あの子は自分のそばに寄ってキスしたような感覚。そのあとは朝陽の中に霧消。
2017-11-27
人様はこうおっしゃる(かも)。ピュア菜に行ったらお肉に野菜、海草にお魚ばかり食べるよね。ご飯を頬張る人なんていないでしょ。みんな本音では炭水化物は好きなうちには入らないのよ。たしかに。でもね、きつい制限はよしたいね。いまは玄米ご飯を毎食75グラム摂っている。何よりその食事が楽しみ。
2017-11-27
人の間に生ずる災いは、小さな見落としから始まる。好ましい態度として地歩を固めた、電波の中の合言葉「おとなの対応」から。「相手にしないのが賢い生き方」という態度が多くの場面で手遅れをもたらす。大きく育った災いには追従者が列をなす。時勢を得て「多勢に副うのが賢い生き方」と転じるのだ。
2017-11-10
時勢とともにスマホは多数の支持を得たが、普及すれば普及以外の現象が出てくる。なんでいまどきスマホも持ってないのと、当時それを口にするのは、若い人ではなく団塊周辺の女性に多い気がした。マジョリティーの側に立った途端に、声をからして対岸を非難する。これは集団ヒステリーの一形態である。
2017-11-10
笑いを得ることは、マジョリティーと意識を共有する行為であるともいえる。漫才は、マイノの言動や仕草をマジョの立場から見下ろして笑いものにしてきた。マイノのぼけにマジョがつっこむ。彼は客の側でもある。お笑い芸とは、客に自身が多数派側にいることを自認させることなのだ。これからどうする。
2017-11-10
「いまではもう……」と「やっぱり……」とどちらが強いのか。恋愛でも、世事においても。若いころそうだったように、いまでも自分は結論を出そうとしている。個別の結論などほしくない。全体としての「やっぱり、こちらが強かったのか」を自分の中で期待している。期待にはそういう性質があるだろう。
2017-10-24
一日の摂取熱量を千五百キロカロリーほどに押さえている。炭水化物は百五十グラムくらい。毎食後に数分間の筋トレと二十分間ほどの歩行かサイクリングが習慣になっている。いつも食事が楽しみ。何を食べてもかまわない。最近、玄米食に切り替えた。体重はこの三ヶ月で八キロ減った。ライザップいらん。
2017-10-18
玄侑宗久『化蝶散華』読了。作者四十五歳の作品となる。描写の巧みさに感服した。比喩も美しい。ずっと前に読んだ『中陰の花』のときよりも文章の技巧を感じた。テーマは娑婆でのお金の作用についてだが、底も表もすべて書かれているので、「世界」と「趣向」の二重構造を読み取ることはできなかった。
2017-10-13
おととい期日前投票を済ませたあと、市役所の出張所で血圧を測った。投票所に人が取られているだろうに、パラパラいる職員はひまそうだった。出会いの場のようにおしゃべりを続ける男女も、カウンターの向こうにいるのだから訪問客ではない。公務員がひまなのは吉。血圧は111と75。脈は少し速め。
2017-10-13
一般に、主人公が巨大イベントに巻き込まれるという形からはじまる小説は、書く側としては楽だという。またそれが、戦渦や厄災など、人類に共通のものであれば、地の文でも、主人公の目線からの文でも、イベントに対する作者の泣きやスタンスを書き込むことで、紙幅をかせぐことも容易になるだろうし。
2017-10-13
東北の津波被害をモチーフにした文芸作品は多い。未曾有の出来事だから物書きにも影響を与えないはずはないとだれかが言い出した。かの災害をどう捉えているかを表明せよと迫られていたかのようだ。いやしくも作家なら何らかの回答を懐に仕舞っているはずだと。作家なら。善意の人なら。日本人ならと。
2017-10-6
戒名は紙に書かれ、俗名は石に彫られる。聖なる名前は人々の記憶に残り、俗なる名前は四つ辻の石碑に残る。自転車を漕いでいると、自動車のウインドウを通しては見えなかったものが見えてくる。ゆっくりと歩く人にはさらに多くのものが見えているのだろう。止まって考えている人には及ばないとしても。
2017-10-2
何十年も前、中学校からの帰り道で、好きな女子の名前を言えと友だちから無理強いされて、出席番号で答えた僕は、数をひとつ間違えていた。のちにその数字が指し示す名は、かけがえのないものになった。あの道は、いまも生徒たちが通う。かけがえのないものをしょっている。そのときは気づかなくても。
2017-9-27
なつかしいゲーム amanita design が残っていた
http://amanita-design.net/games.html
フリーのデモがいくつかある
http://amanita-design.net/samorost-1/
http://amanita-design.net/samorost-2/
http://machinarium.net/
2017-9-27
沼田真佑『影裏』読了。芥川賞受賞作。比喩にしても描写にしても魅力的だから読んでいて楽しい。搾れば脂やミネラルがとれるような栄養素に満ちた文章の連続で、でもときに芳醇さが過ぎた感じがして閉口する。濃い口の文ならいいとは限らないと思った。友情&震災&別れの話らしいのだが、効果は不明。