原則として次のようなポリシーで制作しています。
1 | 見栄え どのように見えるのかというよりも、何を伝えるかを重視しています。ホームページが道具性をもつ以上、枠は中身より控えるということを大原則にしています。 |
2 | 単純さ 複雑であるよりも、よりシンプルに実現できることを重視しています。 |
3 | 実用性 W3Cの勧告による仕様よりも、広くブラウザで現認できることを重視しています。コンテンツ(中身)はサイトの主役、ホームページはコンテンツの運搬役です。できる限り中身を引き立たせたいと思っています。 |
4 | 目的性 印象深く表現したいというよりも、道具として役立たせたいと考えています。存在したという事実ではなく、何をできたのかを評価したいのです。 |
5 | 応急性 基本設計からやり直すというよりも、緊急にパッチをあてて対処します。 |
6 | 柔軟性 長期的視野に立つというよりも、朝令暮改的な素早さで対処します。 |
7 | データ バイナリーデータよりも、身の軽いテキストデータを重視しています。 |
8 | 未完性 ウェブサイトはつねに未完成であり、過不足が生じている状態であると考えています。 |
サイトを閲覧する人には、何の義務も責任もありません。できる限り、ひと目で全体を見わたせるようにくふうする必要があります。また、使用する構成や文章・語句については、小学生にでも理解できるくらいのものが望ましいのです。
またいっぽうで、閲覧者にとって、かんたんに見つけることができないものは、存在しないものに等しいのです。何かの拍子に上から降りてくる一覧表、スクロールをすると脇から延びてくるボタン、マウスを乗せると現れる注意書き、などの内容では、見つけやすいとはいえないでしょう。技術でできることと、していいこととは別の話です。
たとえば、「友だち」や「投稿」などといった体言止めのリンクテキストでは、それをクリックしたとき、友だちの申請をするのか/友だちのリストを見るのか、投稿をするのか/投稿の一覧を見るのか、行ってみなければわかりません。
それらよりも、「友だちの一覧を見る」や「新規に投稿する」のように、動詞を入れた方がわかりやすくなります。これらの体言止めは、英語圏で開発されたインターフェイスを、そのまま日本語訳した結果であると推察されます。ただし、「HOME」や「お問い合わせ」などのように、クリックしたらどうなるのか一目瞭然のものは別です。
リンクとなっている語句やラベルと飛び先のページの内容を一致させることが大切です。
関係があるかないかといえばあるのでしょうが、これでは納得よりも先に落胆が来てしまいます。せっかくクリックしたのに、リンクの語句から得た印象と違う内容のサイトに飛ばされたのでは、混乱してしまうでしょう。
階層とは、「都道府県」や「市町村」のように、同種の要素が属する集団のことを意味します。コンピュータープログラムで言うところの木構造(樹形図)の「レベル」に似ています。
ウェブサイトで、閲覧者が体感する階層とは、先の自治体の例にもあるように、あるひとつ要素が、下部のいくつかの要素を構成員として持つような構造がある集団のことで、一般にウェブサイトの場合、その要素には各ページをまとめるカテゴリーが該当します。
あまりに階層を深くすると(多層化すると)、行き着いた先のページのサイト全体に対する意味合いがわかりにくくなります。ウェブサイトでは、3層くらいまでに留めておいた方が無難です。もちろん、無難に勝る理由があれば、さらなる多層化も必要です。
Mac のユーザーインターフェースに疑問を感じています。
ひとことで言えば、なんでこんなに使いづらくしているのかと。たとえばデフォルトの設定では、画面右端のスクロールバーが表示されません。マウスをそれらしい場所に近づけて(「それは本来のスクロール動作に含まれているから重複はない」という言いわけもあるように思います)はじめて、バーの存在とその長さ(つまりは画面の縦方向の分量)を知ることができます。
人はクリックをしてくれるもの、人はマウスを動かしてくれるもの、人は「たれかある」と呼んでくれるもの、などと決め付けているんじゃないでしょうか。このあたりは背後にある文化の違いのせいなのかもしれません。
身の周りの「資源」にかんする情報は、要求なしで「体感」したいものです。料理店で、「食べたい料理を言ってくれたら、作れる・作れないを即座にお答えしますよ」ではうっとうしいでしょう。手元でメニューの一覧を見ているほうがずっと気楽です。
わたしは人とソフトの接点を、あんなふうにしたいとは思いません。コンマ2秒の、必ず現れるお決まりのロスを不愉快に感じるのが人間です。もしわたしがそんなことをしでかしたら、どうか叱ってください。
ビジネス商材や英会話教材、健康食品などの単品を、ネットで気合を入れて売りたい場合には、ランディングページと呼ばれるタテ方向に非常に長いページがよく使われます。アフィリエイト広告のクリック先でよく目にします。
刺激に満ちた文章と飾り文字を多用し、それらをちりばめた画像の連続で構成されています。その商品をネットで注文するかどうかの判断材料の全部を、一枚のページで提供しているのが特徴です。ページの訪問者は、画面をスクロールするだけで情報を一覧することができます。
そのようなページ構成にするのは、見込み客がその商品を買うのか、それともよしておくのか、まさにそんな分水嶺に立っているときに、クリックで他の画面に移動することが、注文の意思を固める途上でいかに有害に作用するかを、制作側が知り抜いているからだと思います。
買う・買わないは一瞬の判断によるものであり、お客さまは発作的に購入するものです。ひと目で商品に惚れさせることが至上命題であり、ここには、マウスで遊ぶアトラクションやクリック動作の出る幕はありません。強烈なコピーがすべてに優先されるのです。
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